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【レビュー】日曜劇場『半沢直樹』

Paravi(パラビ)のリンクより。

https://www.paravi.jp/title/60968

 

https://www.paravi.jp/title/57077?utm_source=yahoo&utm_medium=cpc&utm_campaign=content_01290&yclid=YSS.1000419791.EAIaIQobChMIvoewvrPb7AIV0amWCh3ZcQqkEAAYASAAEgKftfD_BwE#

 

最終回を迎えてから1か月、

 

今更ですが2020年のドラマ版『半沢直樹』のレビュー。

 

異例のヒットでしたが、毎日を精一杯戦っているビジネスパーソンの共感を呼んだのでしょうね。

 

少し長くなってしまいました!

 

 

 

きっかけ

7年前に話題になった前作、その当時は私はテレビを持っておらず完全に世間の波に取り残されていました。

 

 

何年か前に『ルーズヴェルトゲーム』がきっかけだったか、池井戸潤さんの作品に興味を持つようになりました。

 

池井戸潤さんは『ノーサイドゲーム』や『下町ロケット』も話題になりましたね。

 

※塾生には何度かお伝えしましたが、過去日比谷に合格した教え子が『ルーズヴェルトゲーム』を読んでいて、

「先生、これおもしろいですよ」と教えてくれました。

受験生の時でも小説読んでいましたね。

 

 

そうしたこともあり、楽しみにしていた今回の『半沢直樹』。

 

原作は読んでいませんが、厳密には『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』の2作が今回のドラマ。

 

観ていてそのタイトルにも納得できおもしろかったです。

 

ちなみにイカロスはギリシャ神話に登場する人物で、

 

ロウ(蝋)で止められた翼を持ち、空高く舞い上がってしまったがゆえに太陽の熱で翼を失い

 

海へ落ちてしまった大工です。

 

 

 

あらすじ

主人公の半沢直樹は東京中央銀行の銀行マン。

かつて両親が経営していたネジの工場の経営が傾き、銀行に融資を引き揚げられ、追い詰められた父親は自殺してしまうという過去を持っています。

そんな銀行を変えたいという信念を持った有能なバンカーです。

会社でなく自分の利益のために動く上司、

粉飾決算をする会社、

自己の昇進のために頭取をトップの座から引きずり降ろそうとする常務。

半沢は様々な不正と戦っていきます。

 

このシリーズ(2020年ドラマ版)では、東京中央銀行から東京セントラル証券という証券会社に半沢が出向してきたところからお話がスタートします。

 

前半の『ロスジェネの逆襲』では、大手IT企業電脳雑技集団による新興IT企業スパイラルの買収案件を東京セントラル証券が持ちかけられるところから話が始まります。

 

この買収案件はその後契約破棄にされてしまい、他社に乗り換えられてしまったということも判明します。

 

様々な不可解な点から、半沢はこの買収案件が親会社の東京中央銀行ではないかと疑い、調査を進めます。

 

そして東京中央銀行から出向していた諸田と、東京セントラル証券の伊佐山営業部長がつながり、買収案件がリークされていたことを突き止めますが、その証拠も消されてしまい、伊佐山部長との戦いが始まります。

 

 

後半の『銀翼のイカロス』では、東京中央銀行本部に戻った半沢が、経営破綻寸前の帝国航空の再建という大型案件を中野渡頭取から任されるところから始まります。

 

経営危機の危機感の薄い帝国航空側に対し、経営改革案を提示する半沢。

しかしそれと同時に政府が帝国航空の再生タスクフォースを立ち上げ、銀行への債権放棄の検討を発表します。

東京中央銀行も債権を保有しており(つまり帝国航空に資金援助をしており)、帝国航空の再建案を提示するものの、銀行側の要求を聞こうとしない強引な政府に対して立ち向かっていきます。

 

 

 

感想

特に印象に残ったのは3つです。

・観ていて爽快な勧善懲悪の逆転劇

主人公の半沢の前にはさまざまな敵が現れます。

 

幾度となく窮地に立たされる半沢ですが、優秀な頭脳と仲間とともに逆転勝ちしていきます。

 

勧善懲悪(かんぜんちょうあく:善良な人や善良な行いを奨励して、悪者や悪い行いを懲らしめること)は日本人の好きなテーマであると思います。

 

毎回見るたびに爽快な思いができるので、私も毎週楽しみに観ていました。

 

 

・政権批判にも見える、権力に立ち向かっていく半沢の姿勢

半沢の前に立ちはだかる敵は、上司であったり大物政治家であったりと、

アリと巨象とまでは言いませんが、自分よりも権力のあるものばかりです。

 

そのような自分よりもパワーのある人間に対しても、半沢は臆することなく立ち向かっていきます。

 

10年前に政治家の悪事を一人で背負って自殺した銀行員の話は、森友学園の問題と重なって見えましたし、

 

最終話の半沢のセリフ

『記憶にないで済むのは国会答弁だけの話です・・・

 

そんなバカげた言い訳一般社会では通用しない!』

 

というのも、直近では佐川元財務省理財局長の証言拒否の様子を思い出しました。

 

 

・ビジネスマンに勇気をくれる半沢のセリフ

いまだけではない未来を見据えるんだ。大事なのは感謝と恩返し。

 

の二つを忘れた未来はただの独りよがりの絵空事だ。

 

これまでの出会いとできごとに感謝し、その恩返しのつもりで仕事をする。

 

そうすれば必ず明るい未来が開けるはずだ

 

 

仕事は客のためにするもんだ。ひいては世の中のためにする。

 

その大原則を忘れたとき、人は自分のためだけに仕事をするようになる。

 

自分のためにした仕事は、内向きで卑屈で醜く歪んでいく

 

お客様への感謝。仕事の基本ですね。

 

 

『確かにひとつひとつのネジは小さく非力ですが、間違った力に対しては精一杯命がけで抵抗します!』

 

飛行機も何万という部品でできています。

 

特に大きな会社でがんばっているひとりの社員の方には響いたのではないでしょうか。

 

 

弱い者を切り捨て自分たちの勝手な論理を平気で人に押し付ける。

 

問題は先送りされ、誰一人責任をとろうとしない。

 

くだらない派閥意識でお互いに牽制し合い、部下は上司の顔色をうかがって正しいと思うこと口にしない。

 

そんな銀行はもう・・・潰れているようなものです

 

特に大きな会社で起こりがちでしょうか。何のための仕事かを思い出させてくれます。

 

 

中でも最終話のセリフが本当に良かったです。(若干ネタバレ注意)

 

政治家の仕事とは、人々がより豊かに

 

より幸せになるよう政策を考えることのはずです。

 

今この国は大きな危機に見舞われています。

 

航空業界だけでなくありとあらゆる業界が

 

厳しい不況に苦しんでいる。

 

それでも人々は必死に今を耐え忍び

 

苦難に負けまいと歯を食いしばり

 

懸命に日々を過ごしているんです。

 

それはいつかきっと

 

この国にまた誰もが笑顔になれるような

 

明るい未来が来るはずだと信じているからだ

 

そんな国民に寄り添い、支え

 

力になるのがあなた方政治家の務めでしょう!?

 

あなたはその使命を忘れ

 

国民から目をそらし

 

自分の利益だけを見つめてきた。

 

謝ってください。

 

この国で懸命に生きる全ての人に

 

心の底から詫びてください!

 

事業立ち上げ間もなくのコロナ渦で、不安だらけだった自分と重なり思わず落涙。

 

一番感動したシーンでした。

 

 

 

 

 

 

他にもまだまだ魅力は語りつくせませんが、長くなってまとまりが無くなってしまいそうなのでこの辺で。

 

 

ちなみに『陸王』、『空飛ぶタイヤ』、『ルーズヴェルトゲーム』も個人的に好きな作品です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よろしければどうぞ!